仕事の基礎理解
私は11の営業部を管轄する京都西支社で、営業職員の取扱った契約の各種手続きなど、事務的なサポートを行う拠点サポートチームを統括しています。特に力を入れているのは「事務教育」です。例えば支社と営業部をつなぐテレビ電話を使い、週に3回ほど事務研修を行っています。形だけの研修にならないよう、事前に教材を営業部にいる営業職員へ配付したり、事務変更がある際は、数カ月前から教材をチェックし、すべての営業職員にしっかり事務教育ができるよう、その伝え方や新しい事務ルールの整備について、チームで議論を重ねながら工夫して進めています。
この仕事のリアル

業務システムの大幅リニューアル
これまで日本生命は、時代の変化に合わせて商品やサービスを変化させてきましたが、それは同時に営業方法や事務手続きの変化を意味しています。印象深いのは、2012年4月にあった大型新商品の発売、営業職員端末の変更、それに伴う業務システムの大幅リニューアルが同時期に行われた時のことです。
そのころ私は営業部のサポートを担当していたのですが、ちょうど教育担当の先輩からひとり立ちした時でした。システムが変更されることで、事務がすべて新しくなるため不安でしたが、「スタートラインはみんな同じだ」と、腹をくくったのを覚えています。

システムが変更された時をひとことで言えば、大パニックでした。準備をしていたものの、私が担当する営業部の40人を超える営業職員からの質問は途切れず、対応しきれませんでした。営業職員側が私を気遣って質問を遠慮するようにまでなり、このままではだめだと思いました。
その時に考えたのは、尊敬していた先輩のことです。お客様や営業職員のことを深く第一に考え、私の基礎をつくってくれた恩人です。「先輩ならどうするだろう」と考えると、自然と冷静になれました。質問内容に優先順位をつけ、それぞれに締切りを設定したことで、焦って誤回答することがなくなり、徐々にパターン化された問題にも慣れ、事前に対策をアドバイスできるようにもなり、パニックから脱出することができました。
あれから数年たちましたが、正直未だに『自分の仕事に満足した』と思えたことはありません。拠点サポートチームを統括する立場になりましたが、正直まだまだだと思っています。学ぶべきことは次々に現れますから、それに追いついていくだけでも大変です。定年退職された大先輩が「定年退職するその日まで勉強」と仰っていましたが、本当にそうだなと実感しています。
所属・役職や業績・カリキュラム等は全て取材当時のものです。