保険の理想を実現する
    商品開発部のアクチュアリー

    仕事の基礎理解

    商品開発部の役割は、新しい商品をつくることだけではありません。既に販売されている商品が時代に合っているかを検証し、必要があれば見直すことも含まれます。検証の範囲は商品そのものにとどまらず、付随したサービスに及ぶこともあります。私は「数理グループ」に所属しているため、新しい商品が生み出される際、保険料やリスクの発生率など、様々な数字を使って「商品開発グループ」が企画する商品案を実現させなければなりません。この数字をつかう部分を、私は担っています。そして最終的には、その商品の合理性を国(金融庁)に説明し、認可を得るための折衝にも関わっていく仕事です。

    この仕事のリアル

    個人のお客様に向けた商品開発の面白さ

    私はアクチュアリーとして、以前は団体年金部(ホールセール部門の中で、企業にオーダーメイドの商品や制度をつくる部署)に所属していました。相手が特定の企業であることから、明確な個社の課題解決や理想の実現に向け、営業担当者と一緒に取組んできました。一方で、現在私がいる商品開発部は、個人のお客様のためにあるリーテイル部門ですので、多様な商品やサービスを企画して世の中に送り出すことが仕事です。こちらの仕事の相手は特定されない「さまざまな個人のお客様」であるため、企業相手とは違った難しさとやりがいがあります。

    異動して初めて携わった新商品は、「3充マル」という新しい3大疾病保障保険でした。この保険の新しいところは、治療だけではなく早期発見・早期治療のサポートが充実しているところです。多くのお客様に安心を届けられるということで、商品開発グループが企画し、会社としてもプロジェクトを進め、私たちもアクチュアリーとして、リスクの計算や保険料の算定をしてきました。しかしそのままでは販売はできません。保険商品を販売するためには、金融庁の認可が必要だからです。

    アクチュアリーとしての矜持

    この商品のように、前例がないものに対しては、認可を出す金融庁も慎重になります。こちらも慎重に慎重を重ねて準備をしました。たとえば、この保険は3大疾病の一つである急性心筋梗塞になる前の狭心症なども保障できるため、狭心症から急性心筋梗塞になる確率など、これまでにない統計データを信頼できる方法で集め、分析し計算するなどして、この保険の合理性を説明する必要がありました。相手にも数理のプロがいますので、緊張感のある折衝が続きました。会社内では、販売する時期に合わせて様々な部署が準備をしていましたので、予定どおり認可を得なければならないというプレッシャーとも戦いながら、なんとか予定どおり販売を開始できた時は嬉しかったです。このように、アクチュアリーの仕事は計算だけをしていれば良いというものではありません。実はコミュニケーション力がとても重要です。それも社内外の多様なポジションの人にわかりやすく説明できる、高いコミュニケーション力を持つ人が「アクチュアリー」だと思います。

    今後のキャリア形成

    アクチュアリーが活躍できる部署は、商品開発部や団体年金部、会社の決算などに関わる主計部が主ですが、最近では海外事業部門や調査部、総合企画部など、幅広い分野に広がってきたと感じています。今後は、アクチュアリーという自分の武器を活かして、よりキャリアをダイナミックに描いていきたいと考えています。たとえば日本生命という会社全体、更には生命保険業界全体に影響を及ぼすような仕事をしていきたいと考えています。

    キャリアの流れ

    1. 2013年

      団体年金部
      数理班(東京都)

      ・確定給付企業年金制度に係る計算業務、財政検証および財政再計算などに係る計算・分析

      ・退職給付債務に係る計算業務

    2. 2016年

      団体年金部
      制度コンサルティング班(東京都)

      ・大型案件対応(退職給付コンサルティングおよび退職給付債務計算業務、企業年金の導入に向けたコンサルティングなど)

      ・フロント支援(制度設計、提案書作成、顧客向け説明会など)

    3. 2020年

      団体年金部
      数理班(東京都)

      ・確定給付企業年金制度に係る計算業務、財政検証および財政再計算などに係る計算・分析

      ・退職給付債務に係る計算業務

    4. 2021年

      商品開発部
      数理グループ(東京都)

      ・新商品の認可申請に向けた基礎書類・説明資料の作成

      ・既存商品の保険料・解約払戻金・責任準備金などの保険価格の検討

      ・契約貸付利率・積立利率などの諸利率の設定

    OFFの過ごし方

    休日は子どもたちと一緒に公園で遊んだり、娯楽施設に出かけたりすることがほとんどですが、月に1~2回程度、大学時代から続けている社会人チームでフットサルをしています。チームメイトは30〜60代、職業は会社員から芸能関係、飲食店経営など幅広く、フットサルを楽しむことはもちろん、普段は出会うことのない話を聴くことができ、いろんな側面で楽しんでいます。

    1日の流れ

    1. 9:30

      始業

      フレックスを活用し、ピークをずらして出社

    2. 10:00

      班内定例ミーティング

      週に一回程度、各案件の進捗を確認

    3. 11:00

      役員報告資料作成

      商品開発案件の概要・方針の報告に向けた作業

    4. 12:00

      昼休み

      班のメンバーと丸の内ランチへ

    5. 13:00

      金融庁訪問

      アクチュアリー会活動の一環として訪問

    6. 14:00

      他課と商品開発案件ミーティング

      新商品開発に向けた他課折衝

    7. 15:00

      役員報告

      社内会議付議案件に関する説明

    8. 16:00

      班内ミーティング

      数理事項検討

    9. 18:00

      終業

    10. 19:00

      社内の仲間とフットサル

    所属・役職や業績・カリキュラム等は全て取材当時のものです。

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