仕事の基礎理解
私が所属する国際計理室では、主に保険計理に関する国際規制・国際会計の動向把握と影響分析を担っています。国際的な動向が保険ビジネスに与える影響について、長期スパンも含め、様々な可能性を考慮しつつ分析を行います。これらの分析や交渉は、日本生命のみならず、日本の生命保険業界の将来にも影響を与える可能性があり、非常に重要な仕事です。
この仕事のリアル

商品開発部を経て、国際計理室へ
母国中国から日本へ留学した後、大学及び大学院で学んだ経済や確率論の知識を活かしたいと思い、日本の生命保険業界への就職を目指しました。日本生命に入社後は、4年間は商品開発部(数理グループ)で保険商品のプライシング等を経験し、2018年から国際計理室に所属しています。
一般的に、生命保険はお客様に保障を提供する期間が長期間にわたるため、会社を経営するうえで、将来の不確実性(リスク)をどのように認識するのかが非常に重要です。保険業界では、世界経済のグローバル化を踏まえ、国際的に活動する保険会社への世界共通の国際規制導入を目指して、各国の監督当局が議論を重ねています。加えて、現在、EUをはじめとする諸外国では、国際会計基準審議会によって設定されるIFRS(国際会計基準)という世界共通の会計基準を適用する動きがあります。これらの国際規制や国際会計に関する最新の動向をキャッチし、それらが日本の保険業界にどのような影響を与えうるか検討し、分析を行っています。

業界全体に影響を与える責任とやりがい
現在、検討が進められているIFRS(国際会計基準)及び国際保険規制においては、各国の保険商品の特性等を反映できるように、基準策定のプロセスで世界各国から様々な意見が提出されており、日本からも日本の生命保険ビジネスにも適した基準・規制になるよう、積極的な意見発信を行っています。
国際計理室ではメンバーそれぞれが専門的な分析をもとに議論を行うほか、各国の監督官・会計基準設定主体・国内外の他の保険会社などとの意見交換も頻繁に行っています。その中で私は、一般的な契約者の行動の特徴から、死亡率・発症率の傾向、保険料の設定などをはじめ、日本の保険ビジネスの実情を幅広く計測・分析し、積極的に社内外の議論に参加しています。こうした日々の取組みが会社のみならず、生命保険業界全体の将来にも影響を与えることに大きな責任とやりがいを感じています。
私は生命保険の意義に深く共感して生命保険業界で働きたいと思いました。そして、保険制度が十分に普及していない国にも保険を普及させたいという夢がありますが、国によって状況は大きく異なります。だからこそ、資産運用やリスク管理など数理的な基礎をしっかり学んで、多様な世界に対応できるよう努めていきたいです。
今後のキャリア形成
これまでアクチュアリーとして、商品開発の分野や、国際保険規制等にかかわる仕事をしてきました。今後は主計部や財務企画部等を経験して、保険業の根幹である生命保険会計や資産運用領域の経験を積んでいきたいです。将来は、ずっと夢として持っている「保険が十分に普及されてない国で保険を普及させる」仕事をしたいと考えています。そのためには、経営スキル・新規ビジネスを開拓する能力・多様な語学能力の更なる習得等も必要だと思いますので、引き続きその夢に向けてスキルアップしていきたいと思います。

キャリアの流れ
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2014年
商品開発部 数理グループ(東京都)
商品開発におけるプライシングや収支分析等
システム検証、現地照会等 -
2018年
国際計理室(東京都)
国際会計基準(IFRS)・国際保険規制の対外折衝、社内検討
OFFの過ごし方

娘と遊ぶ時間が帰宅後・休日の一番の楽しみです。最近やっと歩き始めた娘は、私に向かって歩いて、最後に倒れ込んで抱っこされる遊びがとても大好きです。元気に力強く成長する娘から私も癒しと力をたくさんもらっています。子育ては自分自身を見つめ直す機会にもなり、娘と共に成長していこうと思います。娘が大きくなったら、家族旅行をたくさんするなどして、様々な世界を見せたいと思います。
1日の流れ
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9:00
始業
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9:30
ミーティング
週一回の定例部内ミーティング&チームミーティング
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10:00
ミーティング
隔週の定例業界ミーティング
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12:00
昼休み
チームや部内のメンバーと丸の内ランチへ
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14:00
セミナー
経済価値セミナーに出席
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16:00
ミーティング
社内検討に向けた部署横断のミーティング
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17:00
終業
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21:00
*ミーティング
(場合によっては)欧米諸国の保険会社とIFRSに関する意見交換
※時差関係で夜遅くになる場合がある
所属・役職や業績・カリキュラム等は全て取材当時のものです。